サイクリングにおけるペダルケイダンスについて調べてみた

ケイデンスという言葉は、自転車業界で頻出する言葉で、ペダルの回転数という意味です。
自転車業界以外ではほぼ目にしないと思いますが、例えば1分間当たりで90回転するときには、ケイデンスは90とか、ケイデンスは90回転、90rpm(revolution per minuteと言い『回毎分』の略)などと表します。

ケイデンスの数字はロードバイクにおいてはパワー、心拍数などと並び、非常に重要な意味を持つ数字となります。
プロも含めた様々な人が分析材料に使ったり、練習やレースのレポート、ブログ記事などに記載します。

ケイデンスはあくまでもペダルの回転数ですが、なぜそれほど大事なのかというと、「同じパワーでも回転数の高低で、体への影響が変わる」ためです。
かなり平たく言ってしまえば、ケイデンスが低いと筋肉に多大な負荷がかかり、ケイデンスが高いと、心臓に多大な負荷がかかるということです。

詳しく説明すると、まずケイデンスが低いと、高い場合に比べるとペダルを踏む力を大きくする必要があります。大きな力を出そうとすると、筋肉に負荷がかかります。
そこで使うのが、筋肉の中にある、筋グリコーゲンという成分です。
筋グリコーゲンは筋肉の中にあるため、心臓への負担は少なくて済みます。つまり、同じパワーならケイデンスが低いほうが、心拍数は低くなります。
その反面、低いケイデンスで走り続けると、筋グリコーゲンも体内貯蔵量には限りがあるのでどんどん減っていき、最終的に「大きな力を出して踏み込むことができなくなる」というリスクがあります。
つまり、必要なところでラストスパートをかけるような動きができなくなるのです。

そして、ケイデンスが高い場合には、ペダルを踏む力が小さいということですので、エネルギー源は筋肉ではなく、脂肪の比率が高まります。
言い換えれば、筋グリコーゲンを温存でき、より長時間漕ぎ続けられる可能性がある、と考えられます。

しかし、脂肪を分解してエネルギーにするためには、酸素が必要となります。
酸素を含んだ血液を行きわたらせなければならないため、その分心臓がより多く、強く稼働する必要があります。
ケイデンスが高いと、心臓へ負担がかかっている、ということです。

高いケイデンスで走り続けるためには心臓が強くなければなりません。
また、力をペダルに伝える技術(ペダリングの技術)が低いとパワーロスにつながりますので、心臓を酷使して漕ぎ続けたとしても、ペダルに伝わらない無駄な力が発生している可能性もあるのです。

ケイデンスを確認するのに最適なのは、レース時のデータ、峠のタイム計測時などです。

例えばレースの終盤ごろに足が動かなくなり、一気にペースが落ちたというケースにおいて、終了後にデータを検証してみると、足が動かなくなるまでのケイデンスが著しく低かったとします。
その場合では「思いギアを踏みすぎて、筋グリコーゲンの使用ペース配分を誤り、使いすぎてしまった」などという分析ができます。
そして、次のレースでは、最後のラストスパートをかけられるぐらいの筋グリコーゲンを残す、という目標につながります。

また、峠のタイムを計測したとき、途中で息が上がり、心臓もバクバクで死ぬほどきつかったというケースで、ケイデンスがいつもより非常に高く、心拍数も常に限界近いところまであった、と分析できたとしたら、必要以上にケイデンスを上げすぎてしまったため、心臓の限界が早いうちに来てしまった。
筋グリコーゲンは温存できたものの、パワーは発揮できなかったなどということがわかるはずです。

コースの良しあし、レースのルールなどによっても変わりますが、理想的なケイデンスとは90rpmと言われています。
なぜかというと、筋肉と心臓の負担のバランスが一番とれている、適度なケイデンスは90rpmあたりの人が多い、と言われているためです。
ですが、実際にやってみるとわかりますが、初心者で90rpmを維持するのは非常に難しいものがあります。
当然ながら、プロ選手であっても個人差があります。

ですのでケイデンス90rpmという数字は目安として考えるだけにとどめて、各速度帯において、自分が一番長く、ベストな力を出せるケイデンスを探っていくのがベストです。